海外の体育はどんな風?~ニューヨークの小学校体育を見学して~

海外の体育はどんな風?~ニューヨークの小学校体育を見学して~

日本の学校で、ほとんどの人が体育を経験しているはずです。自分も学生時代経験しました。高校の保健体育教師として16年勤めていることもあり、海外の体育やスポーツ事情はどうなっているのか実はすごく興味がありました。

 

今回は、ニューヨークで小学校の体育の様子を見学するチャンスがありました。高校体育教師としての視点を持ちながら、授業を見させてもらい、気づいたことがたくさんありました。その様子を紹介しながら、まとめてみたいと思います。

 

ニューヨークの小学校の体育の大まかな様子

ニューヨークの子ども。見てみるまで全く想像もつきません。スポーツ大国のアメリカ。その中心とも言えるニューヨーク。

だから、「きっとすごいことをしているのだろう」。知らないということから生まれる巨像や得体のしれないものへの怖さみたいなものもありました。

 

ところが、実際見てみると、子どもたちは元気いっぱい楽しそうに体を動かしている。「ああ、ニューヨークの子どもだって日本と同じなんだな。」そう思うと、なぜか安心しました。

僕が見た小学校は、日本の公園のような遊具があるグランドと、バスケ、サッカー、縄跳び、フラフープをするグランドの2つに分かれていました。

 

1時間の授業で、使う集団が入れ代わっていました。また、おそらく体育の教師と思われる男の先生がついていて時々指示を出したり、一緒にまざったりしていました。どちらかというと、体の小さい低学年と思われる子どもたちは遊具で自由に遊んでいました。

 

少し上の子どもたちは、バスケットボールのシュート練習やサッカーをしたり、女の子は、縄跳びやフラフープをしていました。縄跳びは大縄みたいなのをしてることもありました。

 

体育の授業はいつスタートしたかよくわからない感じでした。あるクラスでは、男子が早く来て簡単に先生が話をしたら運動を始めていました。この時の説明は、先生の周りを生徒が立ったまま囲み、人数を数えているようでした。指示が伝わっているかは疑問。バスケットボール、サッカー、縄跳び、フラフープはやっている内容は日本とそんなに変わらないなと思いました。

 

バスケットが男子には人気で、アメリカの四大スポーツ、バスケ、野球、アメフト、アイスホッケーの1つであるバスケ。ヨーロッパやアフリカでは、常にサッカーが大人気でしたが、僕の場合、サッカーをする子どもを目にすることはほとんどなかったです。

 

体育の授業は、黄土色のズボンかスカートを履いていたこと。授業の中で、先生が生徒と1人ずつハイタッチをしていたこと。先生が笛を吹いたら授業はおしまい。その後は急いで、教室に移動させていたこと。片付けは先生がしていたことが印象に残っています。

 

取り組み方はずいぶん違うと思いました。それについて、お話していきます。

日本と比較して違うと感じた点

1)子どもたちの自由度

授業中の子どもたちの自由度は非常に高い。授業のほとんどが自由でした。最初、少しだけ整列、起立のようなことをして始めていた所もありましたが、他の2つの授業ではやっていなかったので、いつもやっているとは考えにくい。やることも自分で選んでやっている。こういったことから、自分で選択、決断し、自分の意思で動く習慣がついているのかなと思いました。

 

ただ、自由過ぎて何をしていいかわからない子どもや、実際にゲームをして勝ち負けを楽しむことなどがありませんでした。そういう点では、集団で一緒に1つの種目をする日本のやり方もいいのではないかと感じました。

 

2)授業規律の有無

これがほとんどないように感じました。強いてあげるなら、グランドというスペースの中で活動するということ。僕が気づけたのはこれくらいです。

授業開始の整列。人数を把握、健康状態を確認。また、集団心理を利用して全員が早く集合しようとすることなどメリットが大きいと思います。また、子どもを座らせて顔を上げさせた状態で説明することで、出来る限り指示を正確に、全員に(無理でもそれに近い状態)伝えることもできるので、日本のやり方は非常に効果的だと思いました。

 

最後の道具の片付け。これに関しては、子どもたちにやらせるべき。どういう意図で先生が片付けていたのか聞いていないので、これはあくまで私の個人的な意見です。自分で使ったものは自分で片付ける。そこで、スポーツを楽しむために生まれる自分の責任を学ばせられる。次、使う人が道具を探す時間が省け、時間短縮できる。助け合い、協力する力が身に付く。全体を見られる。視野が広くなる。気づく力が身に付く。学校以外のスポーツ施設でも、道具の管理、マナーは必要。その力を育成できる。

 

ぱっと思い付くだけでもこれだけたくさんのメリットがあります。これは日本の教育の素晴らしい所だと思います。日本式の言い方をすれば

 

「躾:しつけ」

 

身を美しく飾る。それが躾。やはり、体育の中で子どもたちをきちんとしつけることもスポーツを楽しむため、自分も周りも人生を楽しく歩んでいくためにも大切なことだと僕は思いました。

 

 

日本での指導にどう生かすか

バランスをとる大切さ。結論から言うと、アメリカの自由さと日本の集団行動のバランスをとる。そこに実際運動を行う集団の状態を加味する。これが1つのいい基準になるのではないかと思います。

アメリカのような自由さは、自分の意思決定、行動選択をすることで自立を促します。また、特にまだ未発達の段階では、おさえつけるやり方より自由度を大きくする方が効果的であることは、すでに研究で証明されています。つまり、遊びの方が運動能力を高めてくれる。

参考資料:杉原隆 東京学芸大学名誉教授
https://www.nhk.or.jp/seikatsu-blog/200/120093.html

日本の集団行動の良さは、説明がきちんとされる、また伝わりやすいこともあり、運動の質が確保されやすかったり、無駄な時間が省けることもあり、運動量が確保しやすくなります。また、先生が全体を動かすことで何をしたらいいか迷う時間を大きく減らしたり、一人ではできない楽しさを仲間と味わうこともできます。

集団の中や、社会で生きていくための力も身につけることができる。お互いのメリットを補い合うことでさらに効果的な指導につなげていくことが可能になると思います。こうしたことを踏まえ、日本の体育、スポーツがより、楽しく効果的なものになればうれしい限りです^_^🌻

 

 

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